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中小企業における事業承継のあり方

中小企業における事業承継のあり方


今、中小企業の事業承継がクローズアップされています。全国における社長の平均年齢は61歳で、5人に1人が70歳以上となっています(2014年・東京商工リサーチ調査)。

さらに、国内企業の三分の二が後継者不在となっています。また、事業承継においては、親族承継が約5割弱、従業員承継3割ですが、20年前は親族経営が9割を超えていました。

また、現経営者が事後継続を望むは60%で、決めてないが30%、やめたいが10%。うち、事業をやめたい理由としては、将来性がないが40%、後継者難が50%という状況です。


事業譲渡等には、①株式公開、②親族内承継、③従業員承継、④第三者承継(M&A)、⑤廃業、清算、⑥後継者スカウトの六つの手法があります。


①「株式公開」

株式公開は、経営と資本の分離が明確になります。また、相続納税時に費用がなければ、株式現金化が可能です。さらに人の採用、資金調達能力が向上します。一方で、デメリットとしては、上場基準のハードルは高いという現実があります。実際、国内事業者380万者のうち、上場企業は3500者で、率で言えば0.1%という数字です。また、上場するまでには、数年単位の時間を要しますし、経営権を握るためには、安定株の確保も必要になり、安易に株を売ることもできません。


②「親族内承継」

一般的には、親族内承継が最も望ましいと言われています。しかし、コミュニケーションがうまく取れず、第三者の介入が必用になる場合も少なくありません。なお、後継者の事業を継ぐ意志と、資質・能力が必要となります。


③「従業員承継」

従業員承継では、「社員に自社株を買い取るだけの資金的な裏付けがあるか」「社員に借入金の個人保証をする気持ちがあり、さらに金融機関が個人保証の変更を認めてくれるか」「自身の長年の取引先をスムーズに承継できそうか」などを検討しなければなりません。また、優良な会社であればあるほど、社員に株式を買い取るだけの資金力があるケースはまれですし、業績が厳しい会社であれば多額の借入の連帯保証まで引き受けることになりますので、社内から社長になろうという可能性は低いのが現実です。


④「第三者承継」・⑤「廃業・清算」

事業の廃業・清算は、清算するための換金価値しかありませんし、ディスカウントされることが往々にしてあります。M&Aの場合は業績がそれなりであれば「のれん」や今後の業績の期待感が付随される場合もあり、税制面でもM&Aが有利です。また、従業員解雇も条件次第では心配なくなり、譲渡企業のオーナー経営者の個人保証も、買い手企業が肩代わることになるので、個人保証の問題もクリアできます。もちろん、M&Aは相思相愛であることが条件になるでしょう。また、M&Aで株価が上がる場合は、①その企業買収の競争が激しい場合、②その業種のシェアが拡大している場合、③その企業の業績が優れている場合の三つです。株価が下がる要因は、その逆です。


⑥後継者スカウト

後継者スカウトは、「第三者承継」の部類になりますが、事業承継の新たな潮流として、後継者として相応しい方がいない場合は、「スカウト」という手段もあります。婚活も視野に入れて「事業承継後継者&婿養子」ということも考えられますし、実際に新たなビジネスモデルとして事業化している企業もあります。また、後継者がまだ若すぎる場合は、ワンポイントリリーフとして、社外から経営のプロを入れる場合もあります。


まとめ

最後になりますが、後継者には、①継ぐ意志と能力、②熱意・情熱、③覚悟の三つが最も重要かつ必要なこととなります。また、事業継承は現経営者の気力・体力があるうちに、しっかりとした事業計画を基に、時間をかけて行うことが必要です。よくオーナーには、右腕となる人材が必要と言われていますが、より大事なのは、経営者自身の分身をつくりあげることです。さらに、後継者には会社の仕組みを引き継ぐことも必要ですが、変化に対応できることも時として必用になります。

そして、経営者は孤独ですので、なんでも言い合え、情報も得られる仲間も必要です。その一つの場が日専連ではないでしょうか。

そしてこれらのことが、企業存続の鍵と言えるのではないでしょうか。