機関誌『専門店』ハイライト

ホーム>機関誌『専門店』ハイライト

店人いま279

「街の本屋さん」として地域の文化・情報を発信し街の魅力アップを創出する

 長﨑健一 氏 長崎書店(日専連熊本)聞き手 宇田 弘

mise_01.JPG熊本の中心市街地は老舗も多く、ファッション性豊かなお店と混在し、古くて新しい街として魅力を発信し、多くの来街者を誘引しています。今回取材した長崎書店は開業明治22年。そしてそのルーツである創業明治7年の長崎次郎書店の建物は、国の登録有形文化財に指定されています。

書店業界の経営は厳しさを増し、特に街なかの中小の書店が消えつつある中、「街の本屋さん」としてさまざまな楽しみを提供し、熊本の文化・地域情報を発信して、多くの支持を得ています。また、街の中心部には長崎書店のある「上通商店街」と「下通商店街」があり、そこが核となり、またいい意味でライバル商店街として、活気あふれる賑わいを創出しています。


 

>>> 続きを読む

2015年 新春特別対談

培ってきた資産の棚卸を行い その再活用を試みる

日本小売業協会会長 土方 清
日専連理事長 山口 哲男


taidan_01.JPG2015年の新春対談は、日本小売業協会の土方 清会長(サークルKサンクス相談役)にお願いし、皇居を望む東京商工会議所「東商スカイルーム」で行われました。

日本小売業協会は商工会議所を中心として、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会など、小売業に関連する各種団体が発起人となり、1978年に設立されました。日専連も加盟しており、日専連理事長は歴代副会長に就任しています。

消費税に始まり消費税に終わった1年


山口 新年あけましておめでとうございます。土方会長にはお忙しい中、新春対談にお越しいただき感謝申し上げます。また、日本小売業協会ではお世話になっております。
 
さて、昨年末は衆議院解散・選挙ということであわただしく1年を終えました。今年は未年です。穏やかな年であることを期待したいところです。

早速で恐縮ですが、まず昨年を振り返ってのご感想などをお聞かせ願いますでしょうか。

>>> 続きを読む

今後半年の個人消費の見通し⑦

~先送りされた消費増税と株高と原油安~


株式会社第一生命経済研究所 経済調査部 エコノミスト 星野 卓也


先送りとなった"消費税10%"

2014年11月、目まぐるしい勢いで政治が動いた。きっかけとなったのは、2014年7月~9月期のGDP統計だ。

消費税率の10%引き上げの可否を判断する際の材料とされていた統計だが、これが政府の見込みを大きく下回るマイナス成長に沈んだ。これを受けて、安倍首相は消費税率を2015年10月に8%から10%に引き上げることは困難と判断し、消費増税の先送りを決定する。

さらに、この判断の"信を問う"として、衆議院の解散総選挙に踏み切った。

消費税率の引き上げは予定通り実施されるとの見方が大勢であっただけに、市場はこれを大きなサプライズで受け止めた。

そして、12月14日に投開票された衆議院選挙は、政府・与党の大勝となった。与党(自民+公明)は、326議席を獲得、解散前勢力を維持した。

政府はこの選挙を通じて、「消費増税の先送り」、および安倍政権の経済政策である「アベノミクス」に対する"お墨付き"を得た格好となった。

本稿では、足もとの消費動向を確認したのち、この消費増税先送りを踏まえたうえで、今後の個人消費の見通しを展望する。

>>> 続きを読む

店人いま 278

地元の食材を極力使い お客さまの状況をよく見て プロとして丁寧に作った料理を提供

  misehito_01.JPG栁澤千春 氏 弁当・懐石の店「栁澤」(日専連ゆざわ)聞き手 宇田 弘

今回訪れた秋田県湯沢市は、平安時代の謎に包まれた才女、小野小町の生誕地と言われています。その由来から、お米に「あきたこまち」や秋田新幹線にも「こまち」とその名が付けられています。また、湯沢は自然豊かな山々に囲まれ、四季折々の景観と旬の味を満たしてくれます。

その湯沢で取材させていただいたお店は、地元の食材にこだわり、プロとしてひと手間も二手間もかけて、心のこもった料理を提供する「弁当・懐石の店『栁澤(やなぎさわ)』」。そして店主の栁澤さんは、日専連ゆざわの理事長として昨年4月に就任されました。実は、この取材の翌日(9月25日)に、「日専連東北地区連の集い」が湯沢市で開催されました。栁澤理事長は、「東北地区連の集い」を機に、組合店の交流をさらに深めて、活性化に努めていきたいと言います。

また、インタビューをしている間も、ひっきりなしにお客さまが訪れて、仕出しの予約注文をされていました。店主の温かいお人柄が、店に、そして地域に漂っていました。


お客さまをよく観察して料理をお作りする misehito_02.JPG

●創業はいつごろでしょうか。
栁澤
 まだ健在な私の両親が、昭和48年に、この地に仕出し屋を出しました。実は父方の両親は、湯沢で旅館を経営していまして、父は末っ子で、長男とともに旅館を切り盛りしていました。しかし、長男は体が弱かったため、旅館をその息子に任せることになり、叔父にあたる父がいてはやりづらいだろうということで、父は旅館を去り、今のこの場所で仕出し弁当専門店を開業しました。東京にはあったかもしれませんが、当時この辺りでは弁当専門店はありませんでした。また、座敷もありましたので、宴会なども受けていました。ほかにも、当時は各家庭で冠婚葬祭を行うのが一般的でしたので、その料理なども受けていました。

●競合として、旅館なども仕出しを請け負っていたのでは。
栁澤
 父は長く旅館にいた実績がありましたので、お客さまはそれを知って注文されていたと思います。

●旅館や料理屋さんという、敷居の高いところと違って、いいポジションでご商売ができたのではないですか。
栁澤
 そうですね。そのころは景気も良かったですからね。しかしその後、このあたりの旅館経営は厳しくなり、うちの本家の旅館も廃業に追い込まれ、業種替えをして今は別の事業をしています。

>>> 続きを読む

日専連東北地区連の集い in ゆざわ 記念講演

わが東北を救う里山資本主義
~地域経済の未来を託す新たな切り口~

講師 藻谷 浩介 motani_01.JPG
とき:9月25日
場所:湯沢ロイヤルホテル


株価は商売に影響しない

はじめに、株価は商売に影響しないということをお話しします。今日の株価は1万6300円です。第1次安倍内閣の時代、年間の平均株価は1万7200円で、一時2万円まで上がりました。今、株価が上がったと宣伝していますが、実は山一證券、拓殖銀行が潰れた平成9年の年間平均株価は1万5300円で、高いときは1万8000円くらいまで上がりましたので、今の方が低いんです。

実は日本の株価は、景気とは関係がないんです。市場経済なので、誰が首相になっても関係はありません。平成元年の日経平均株価が4万円近かったときの首相を覚えていますか。宇野さんと海部さんです。そして平成14年に1万円を切ったときの首相を覚えていますか。そのときの首相は小泉さんでした。大騒ぎしていませんでしたよね。

株価の変動で、あなたの商売に影響しましたか。小売販売額を見ると、バブルの直前の昭和60年に105兆円、バブルのピークの平成3年は146兆円です。株価が1番高かった平成元年のときの日本中のお店の売上げは127兆円、今は139兆円です。東日本大震災のときは134兆円です。

マスコミは株価について騒ぎすぎです。商売にはまったく関係ありません。ちなみに、日本株の3割を外国人が持っています。

>>> 続きを読む

地域ビジネスの可能性を探る

新連載
地域ビジネスの可能性を探る

政府の小規模企業振興基本計画に関する一考察

明治大学 社会連携機構 客員准教授 岩瀧敏昭

はじめに

いろいろな地域の方にお会いして、少し打ち解けてくると、必ずと言っていいほど聞かされる言葉がある。それは「昔は、この町にもたくさんの人が住んでいて、この商店街にも人があふれていたんだが...それが今では...」「いくつかのお店は今も頑張っているけど、昔あった名店がなくなっているんだよね...」

それらの言葉は、往時を懐かしむ声でもあり、嘆きや行き場のない怒りとなって、「ここに大きな企業があったが移転してしまった」「顧客が車で郊外の大型店へ行くようになってしまった」など、その地域が置かれている環境の変化と、それを受け入れざるを得ない地域の境遇に触れることになる。

このような地域の人々の言葉の裏側に潜む、わが国全体の少子高齢化や過疎化、東京を中心とした大都市への一極集中などの根本的な問題は、国の重要政策であり、それを今に持ち出したところで、当該地域の問題の解決には結びつかない。

そんな中で、たとえば地域の人々が本当に求めている商店街とはどのようなものなのか。そこに存在すべき企業や商店はどうあるべきなのか。さらに掘り下げると、それらの企業や商店の活性化と地域全体の活性化を、どのように結び付けていくのかといったテーマを、真剣に話し合っていくと、あまりにも課題が多すぎて、何から手をつけるべきなのか悩むところである。

そんな思いを持ちながら、この10月に閣議決定された「小規模企業振興基本計画」の施策について、地域小規模企業と地域全体の活性化という観点から注目してみたい。

>>> 続きを読む

外形標準課税が中小企業にも適用される?

赤字企業に増税
外形標準課税が中小企業にも適用される?

白鴎大学名誉教授 樋口兼次

最近、政府税制調査会で、法人税減税の見返りに法人事業税の外形標準課税を中小企業にも適用することが検討されています。

消費税が5%から8%に増税されたばかりで、しかもさらに10%に増税されようとしているなかで、さらに税負担が大きくなると考えられます。

外形標準課税とは? gaikei 1.jpg

外形標準課税とは、地方税の法人事業税の税額を計算する基準の中に、給与支払額、資本金など「外形」から判断できる基準を導入する課税方式をいいます。

表1をご覧ください。事業税は、もともと所得に対して課税する「所得課税」ですが、所得基準による課税分を減らして、付加価値や資本金などの「外形基準」による課税が、中小企業にも課せれるというものです。

>>> 続きを読む

日専連第69回全国大会

26.9.10taikai 1.JPG
日専連第69回全国大会は、6月17日・18日に香川県高松市で開催しました。

本誌前号では、大会式典、記念パーティー、日専連総会などについて掲載いたしました。

本号では、全専協通常総代会、日青連総会、女性の集い、ミニ観光、商店街視察についてご紹介いたします。

全専協第40回通常総代会

26.9.10taikai 2.JPG
組合員の推移は安定した状況にあり減少傾向に一定の落ち着きが見えた

全専協第40回通常総代会は、6月17日(火)午後4時45分から、JRホテルクレメント高松(香川県高松市)3階「飛天」において、全国から47人の総代が参集して開催されました。

当日上程された議案は次の6議案で、議長を務めた大西副理事長の進行により審議され、それぞれ原案通り可決・承認されました。

第1号議案
平成25年度事業報告、決算報告並びに剰余金処分(案)に関する件

第2号議案
平成26年度事業計画(案)並びに収支予算(案)に関する件

第3号議案
定款一部変更に関する件

第4号議案
平成26年度賦課金賦課方法並びに徴収方法に関する件

第5号議案
平成26年度役員報酬決定に関する件

第6号議案
平成26年度借入金残高最高限度額決定に関する件



>>> 続きを読む

店人いま277

創業81年。クオリティーを重視し接客するまでに10年を要し社会的使命として巡回サポートも実施

26.9.10mise 1.JPG
中里幸生 氏 中里メガネ(日専連旭川)
聞き手 宇田 弘

今回の取材店は、日本で最初に歩行者天国となった平和通買物公園(北海道旭川市)に本店を置く、創業81年を迎える「中里メガネ」。道北で、ここ「中里メガネ」でしか扱っていないブランドも多数あり、差別化を図っています。また、メガネ作りのクオリティーにとことんこだわり、入社から5年間はメガネを作ることだけに専念させ、接客できるまでに10年を要するといいます。

また、旭川といえば、来年の日専連全国大会の開催地です。早くも開催会場が決定したようで、記念講演会の講師選定を詰めているところだといいます。しかし、来春に旭川駅前にイオンが出ることが決定し、着々と建設が進められていました。イオンの出店で、旭川駅から約1キロ続く賑わいある平和通買物公園に、どのような影響が出るのかが懸念されるところではあります。取材当日、買物公園に多数の市役所職員が、来街者にイオンの出店前と出店後についてのアンケート調査を行なっていました。

お客さまの話をじっくり聞いて、商品を選定する
26.9.10mise 2.JPG

●今年で創業81年とお聞きしましたが、中里社長は何代目でしょうか。
中里 メガネ屋としては、3代目になります。

●初代は何をされていたのですか。
中里 時計とメガネを扱う兼業店を営んでいました。
>>> 続きを読む

日専連第69回全国大会 記念講演会

本物の戦略は100%のパッションからくる
26.9.10kinen 1.JPG

ヨシダグループ 会長兼CEO 吉田 潤喜 氏


6月18日に香川県高松市で行われた日専連第69回全国大会の記念講演会は、ヨシダグループ会長兼CEOの吉田 潤喜氏を招いて、JRホテルクレメント高松で開催しました。

吉田氏はアメリカにあこがれ1969年に単身渡米し、波乱万丈のアメリカ生活をサバイブした末、自家製秘伝のタレをベースにした「ヨシダソース」を生産販売してアメリカンドリームの体現者となりました。

26.9.10kinen 2.JPG
米国の中小企業局が50周年記念のGolden Anniversaryに選んだ全米24社の中に、FedEやインテル、AOL、ヒューレットパッカードなどと並んで「殿堂入り」を果たしました。さらに2005年にNewsweek誌(日本版)で「世界で最も尊敬される日本人100」に選ばれ、2010年にはオレゴン州と日本の友好に貢献したとして「外務大臣賞」を受賞。 現在、ヨシダグループとして18社を抱えています。

吉田氏のユーモアを交えたパッションみなぎる講演をご紹介いたします!

アメリカでは、出ない杭は潰させる

私は、生き馬の目を抜くようなアメリカで、4回も倒産しかけました。よう生き抜いてきたと思いますわ。今日は、アメリカで生き抜いてきたエネルギーについてお話します。

>>> 続きを読む