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専門店に役立つ中国情報(2)

チャンスをつかめ!
世界一安い「義烏市場」の上手な利用法①

キング・アド 生井 勲男

やっぱり義烏が安い

 義烏ってそんなに商品が安いの? そんな疑問を持って、中国各都市に必ずある「市場」を見てみた。
 食品、生鮮品は市民市場的なものがいたるところにあり、義烏が特に安いということはない。家電や自転車、家具等の大型、高額品や大量発注のできるチェーン店は、品質管理を含めてメーカーと取り組むべし。義烏の衣料品はレベルが低い。
 ところが、雑貨とソックス、バッグ、文具、化粧小間物などは義烏がダントツに安い。しかも、中国各地の市場のこれらの雑貨商品は、義烏から運ばれて販売されているのである。その差は上海なら同じ商品で3~5倍、広州で2~3倍で各市場で売られているからビックリだ。義烏市場で売られている5万点の商品のほとんどは、中国一安いのだ。


 それでは、中国以外の国にはもっと安い商品はないのだろうか。ということで、アメリカのラスベガスで開かれている「オフ・プライスショー」を覗きにメンバーと一緒に行った。
 残念! 雑貨商品の70%は中国製で、残りがメキシコ、ブラジル、タイ、インドの商品。しかも、価格は上海並みの3~5倍以上の値段で、ひどい商品は10倍の値段。
 

次に探したのは、日本人には知られていないアメリカのバッタ問屋。ロスアンゼルスのダウンタウンから車で約40分の郊外にこれらの問屋があった。スポット問屋はデパート商品が80パーセントオフで、ブランド品が70パーセントオフだが、買い付け行動を起こすほどの魅力がなく諦めた。バッタ問屋は日本のバッタの売り方とはまるっきり異なり、ダンボール一箱でいくらという売り方だ。味噌もクソも一緒の巨大なサイロみたいで、とても買えた代物ではない。
 さらにしつこく粘り、韓国人、メキシコ人経営の多い下町に行くが、ヒスパニック相手のような粗悪な商品や義烏の価格と比べると雲泥の差がある。

 ブランド化粧品が安いと聞いて期待を持ったが、日本より高いのでガックリ。タイなら品質も良いので商品限定で探しに行った。歓迎はされたが買い付けたのは軽家具、BOXのみで他は価格の面で難しかった。
 ベトナムは雑貨については見つからず、と言うより中国商品ばかりが目につく。インドはパニパット市のインド綿とステンレス商品のみ。ただ、パニパットでは定番品でなく、倉庫山積みのスポット品に魅力を感じた。
 ドバイにできた義烏市場の「ドラゴンマート」には、アフリカ、中東アジア、東ヨーロッパのバイヤーが義烏市場の5~7倍の価格でも、安いといって買い付けに来るのだから、やはり義烏が安いのだ。


義烏とは

 「義烏」という地名の由来は、顔義という男が父親を亡くし埋葬しようとすると、カラスが飛んできて、くちばしを傷つけながら手伝ったとの言い伝え。
 義烏のある浙江省は77%が山や川で耕地が少なく、資源も乏しく厳しい環境だ。義烏の農民は農閑期には暇を利用して、生活必需品を作って販売するようになったのが前身。その後、行商人や近隣の商店が安さを求めて買いに来るようになり、1982年には日用品の専門卸市場として小商品城が創設された。


 市になったのは、22年前の1988年だが、その2年後の1990年には日用品の卸市場貿易額で中国市場のトップに躍進。2002年に福田1期ビルが完成し、06年には2期ビルができて貿易額は415億元となり、中国市場がダントツ1位に。さらに、08年10月に3期ビルが完成すると同時に、義烏の象徴だった小商品城の建物が壊された。


 現在は、福田市場を中心に、新たな食品市場、家具市場、冥王市場ほか、多くの問屋街を持つ中国最大の卸場となり、国内向けから海外向けへ変化を遂げようとしている。
 私が最初に義烏を尋ねたのは2000年。車よりリヤカーの世界であり、福田市場のような近代的なビルではなく、エアコンもなく、外国人の姿も少なかった。

義烏へ行くには

 浙江省の中部に位置し、上海から300キロ。省都杭州からは120キロで、杭州国際空港からは110キロ、車で1時間30分の距離。成田空港以外は杭州便がないので、上海浦東空港を利用することになる。行き方は、上海からは新幹線が朝と午後の便があり、2時間30分で着く。
 航空便は以前、上海からの便があったが、今は広州から1日3便。車なら上海~義烏間は高速で結ばれているので4時間。浦東からは5時間で行ける。


 これも、思い出になって恐縮だが、高速が義烏まで繋がる前は、上海から高速で杭州まで行き、そこからは一般道路。片側一車線なのに2台平行して走り、対向車も2台で向かってくる。ギリギリでチキンレースみたいに、どちらが先に譲るかの勝負で、バスに乗っていても足が突っ張る。しかも、時速100キロ。
 でも、運転が上手いのか、それが常識なのか不思議と事故が起きない。事故を起こす車はほとんどが積載オーバーでの横転。
 新幹線ができたのは2年半前で、それまでは、列車で5時間半。荷物が盗まれるのが心配で、帰りはバスをチャーター。今は新幹線もでき、高速も繋がり義烏は近くなった。


 

義烏の特色

 人口170万人。そのうち、義烏の住民票取得者は60万人で、110万人は地方からの出稼ぎ者。その人口は毎日のように工場を中心に増え続けている。
 高校入学率98.7% 非常に高い進学率で、社会職業訓練機構も121ヶ所ある。現在は外人バイヤー対応のため、2万6000人の市場経営者がビジネス英語を学んでいる。レッスン料は市が負担。


 自動車保有台数 6万5000社ものブースがあるということは、小金持ちが少なくとも6万5000人はいるということ。車は、戸籍人口8人に対し1台保有で中国1位だが、日々保有者が増えているので正確な台数は不明。道路が車で埋まり、動かなくなったこともある。
 生産額 急伸しているだけに推定となるが、06年は707億元で軽工業がその79%を占める。1人あたりのGDPは5万294元で、中国のどこの都市よりも高い。ただ、民工の問題があるので実態感とは異なる。


 ホテル、食事 外国からのバイヤーが08年の福田3期ビル完成後も急増中。世界215ヶ国の事務所で1万3000人の外国人が住み、1日20万人のバイヤーが買い付けに来る街。ホテルは次々と建設され、レストランは中華以外の店も増えている。特に、韓国、アラビア料理店が目につく。


福田市場の扱い商品

 義烏市場は先月号で福田市場以外にも数多くあることを書いたが、義烏の約80%の商品があり、巨大さと、商品のバラエティさでは、福田市場=義烏と言っていい。また、福田以外の市場はカテゴリー別になっているので分かりやすい。 そこで、福田市場に限定して扱い商品を紹介する。
●1期ビル(A~E)
1階 造花、ぬいぐるみ、玩具。Eの奥はこれらの商品の材料ブース。
2階 ヘアーアクセサリー、ネックレス、ピアス等の装飾品。
3階 仏具、クリスマス用品、季節用品、室内装飾品、インテリア、工芸品、水晶、絵画。
4階 1~3階のメーカーブース、造花、石、宝飾、工芸等で一ブースが大きい。

●2期ビル(F・G)
1階 雨具、傘、バッグF(安物中心)、バッグ(G、高級中心)、FとGの間に小売。
2階 金物、工具、ペット関連、カー用品、電動自転車、乗用玩具。
3階 時計、双眼鏡、光学用品、金物、小家電、電池、電卓。
4階 工場区(香港、韓国、四川他)〈電気、金物、レジャー、バッグ、時計〉

●3期ビル(H)
1階 筆記具、袋物、紙製品、サングラス、老眼鏡。
2階 一般文具、国旗、事務用品、スポーツ用品、健康器具。
3階 化粧品、化粧小間物、アダルトグッツ、縫製用品材料。
4階 化粧品、化粧小間物、スポーツ用具。
5階 外国進出企業ブース(日本館もこの中にある。世界48ヶ国の出店が決定し、面積は5万平方メートル用、直線距離で600メートル。出店が増えれば拡大検討)

●3期ビル
1階 ソックス、タイツ。
2階 家庭用品、インテリア、帽子、手袋、布帛用品。
3階 革靴、サンダル等履物、ネクタイ、毛布、インテリア、レース関連。
4階 ベルト、スカーフ、ブラジャー、アンダーウェアー、チャイナドレス。
 3期ビルは小商品城および、その周りの問屋街がそっくり移動・入店し、新たなメーカーを増やしてパワーアップ。
 (08年に完成し、170万平方メートルの広さ。09年11月で95%以上が埋まる)


脅威の安さ

 3期ビルが広すぎることと、正面道路に面していないため、せっかく義烏福田市場に行っても見逃しがちになります。
 それと、小商品城のときより、メーカーブースが増えたことにより価格が急落。家庭、日用品も充実したので、初日に見に行くことが肝要。広すぎて、1日では見切れないが...。
 ぜひとも、3期ビルの商品価格例を見て、安さに度肝を抜かれてください。

 

-----商品-------

 

03chugoku-01.jpg簡易ネクタイ
 本当かと聞き直したくらいに安い。一般のネクタイはポリエステルで20円前後、シルク100%で100円。ネクタイ、カフス、ネクタイピンと箱の同柄セットの人気が高く扱い店が増えている。
価格:0.5元(7.5円)

 


03chugoku-03.jpgチャイナドレス
 ロングタイプのシルクで55元(825円)。セクシー系は生地使用量が少ないため価格も安い。問屋街のときは扱い店が限られていたが、3期ビルに移り、増えたので価格も下がり気味。
価格:28元(420円)


 

 

03chugoku-02.jpg肌着 上下セット
 この商品もピンからキリまで。上記価格は写真の商品で、品質は悪くない。少量から買い求めることができる。
価格:13.5元(203円).15元(225円)


 

 

 

03chugoku-04.jpgパンティ
 以前の半額。セクシー系は日本では隠れたヒット商品で通販、ネットでは高く販売されているのでチャンス。男用ブリーフも大体1元が目安。
2元(30円)
セクシー系は1元(15円)


 

 

 

03chugoku-05.jpgネクタイピン
 35円の商品でも、化粧箱に入れたら980円で売られている商品。このまま、ボックスごと並べておけば500円で売れる。貝などの高級品の場合は、30本で150元(1本当り75円)。
30本入りで70~100元(1本当り35円~50円)


 

 

03chugoku-07.jpgソックス
 ソックスは3期ビルの1階部分全部を使用。昔のソックス市場でさえ、約3000社あったので、今は、何社あるのか見当もつかない。価格は店舗数が急増したので競争激化で大幅にダウン。それと、中国のブランド的な高級品や海外向けの専門社も増えている。価格は5~8元がボリュームゾーン。写真の商品はどちらも1元。
1元(15円)

 

03chugoku-06.jpg帽子とマフラーセット
 日本でいくらで売ればいいのか迷うくらいに安い。ショール等は日本の流行前に販売されるので、売れ筋を見つけるのに便利。
11元(165円)


 

 

 

03chugoku-08.jpg2枚合わせ
マイヤー毛布
 毛布系は義烏は弱いと思っていたが、3期ビルに移転後、力を入れ始めた。商品は日本で売られている毛布とそん色がない。3期の2階が家庭用品なのでじっくり見れば、インテリア関係も新たな発見ができる。
52元(780円)


 

 

 

 

03chugoku-09.jpgサンダル
 今までの常識では、履物は義烏はダメとなっていたが、3期ビルでは履物ブースを一気に拡大して何でも揃う。
左の写真4.5元(68円)、ビーチサンダルが2.2元(33円)


 

 

 

 

03chugoku-11.jpgカジュアルベルト
 ベルトも3期ビル移転後、大幅に価格がダウン。写真の商品は20円~45円で50%ぐらい安くなった感じがする。
1.3元(20円)~3元(45円)


 

 

 

03chugoku-10.jpgジーンズ調
スパッツ
 2年前の出始めは23元したが、09年33月には11元で、9月に9元、そして、11月には6元と大幅に価格がダウン。日本の販売価格が高いだけに注目。
価格:6元(90円)


 

 

 

03chugoku-12.jpg金属デザインベルト
 この商品も大幅にダウン。ちょっと安すぎて信じられないが...ベルト街を歩けば奇抜な商品、ユニークなデザイン、材質の面白さに時間を忘れる。
7元(105円)