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専門店に役立つ中国情報 (1)
チャンスをつかめ!
専門店に役立つ中国情報(1)
魅力溢れる義烏市場
キング・アド 生井 勲男
初めて義烏市(上海西南300キロに位置し、23の町村を有する市。以下、義烏という)を訪れたのは、2000年の7月30日。友人と上海で雇った通訳の3人で、上海から特急列車に揺られること5時間30分。長旅の末、義烏の駅にたどり着いた。義烏はさまざまな問屋街、市場が数多く点在している。
義烏は、内陸性気候。暑いなんてものではない。汗が"ドッ"と一気に噴き出す。駅前にたむろしている子どもたちが、汗と同じようにドッと押し寄せ、手を差し出して物乞いをする。
駅前のガタガタのエアコンで涼んでから、遠い昔に日本にもあったようなタクシーをつかまえてソックス市場(義烏市内にある市場の一つ)に行くと、昼間だというのに暗い。天井を見ると、所々に20Wの蛍光灯があるだけ。この市場だけで、3000もの店舗がひしめき合っている。
暑さのあまり寝そべっている人や、暗い中で巨大な弁当を黙々と食べる人などさまざまいて、われわれがキャスターつきのバックを引きながら近づくと、うさん臭そうに顔を向ける。
当時、この田舎町では高級の部類に入るホテルに宿泊した。一泊二食付いての価格が4000円もしないのにビックリしたが、バイキング形式の朝食は食べられるものがなく、コーヒーも出ない。しかし、冷房があっただけよしとして納得・我慢する。後から聞くと市場近くの旅籠は680軒あまりあり、価格は1泊300円くらいらしい。
2000年から続けてきた「『義烏』買い付け・流通視察セミナー」も、昨年11月で23回目となった。今は新幹線が通り、上海から2時間30分の快適な旅。07年に義烏駅から車で20分の距離に、巨大な福田市場の近代的ビルが完成した。駅前は物乞いに代わってタクシーの列と白タクの呼び込みの声。
市場は08年に様変わりして、昔懐かしい小商品城(昔の中心市場)もなくなり、エアコンどころかエスカレーターまで備わっている。ただし、エスカレーターは階段代わりで、動いているのはまれにしか見ない。
わずか10年弱で、義烏は変わりすぎた。そのスピードは、中国のどこの市場や街と比べても異常な早さである。義烏市場の魅力と商品の安さに感激し、10年前の二回目に仲間20名で訪れた時は、副市長や市場の幹部が「日本から買いつけ部隊が来た」とホテルでミーティングを開いた。その席で義烏は今後、毎年30%強の伸びを続けると豪語していたが、そのとおりの実績を上げ続けている。
義烏の現況
■2008年に大変貌
義烏全体の商品の80%が福田市場にあると言われている。その福田市場の巨大な第3期ビルが完成し、卸市場の中心だった小商品城は消滅した。小商品城を取り囲むようにあったランジュリーやファンデーション、下着の問屋街、靴の専門店街、ベルト問屋街、家電小物、文具、装飾問屋も消えた。だが食品、家具市場は郊外に移転し、パワーアップした。
逆に、市場の中心となった福田地区の、巨大な第1期、2期、3期に建てられた5棟のビル群の周辺には、宝飾問屋街、1元、2元、9.9元ショップ街、ぬいぐるみ問屋街ができた。新しく08年10月にできた第3期ビルだけでも、170万平米の広さがあるので、このビルだけでも1日では見ることはできない。
■メーカーや問屋のブースは65000社
まさに、義烏市場は世界一の規模である。1社を10分間見るとすると、10833時間かかることになる。1日あたり8時間を費やすとして、365日休まず見ても3.7年間もかかってしまう。その、65000社が義烏内にカテゴリー別に区分けされて点在している。30カテゴリーとしても、一カテゴリーで2000社がお客を奪い合う。両隣どころか、横丁すべてが同じ種類の商品なので、新製品をいち早く取り入れるか、商品の特色を出すか、安くしないと生き残れない。
しかも、中国の中でも義烏は家賃が信じられないくらい高い。それゆえに、1コマに2つの店が共有していることが当り前だ。入口の掲示板には、人手不足の求人案内と同様に、ブースの売買案内がビッシリと貼り紙されている。
■1日に買付けに来るバイヤーは20万人
もともと義烏は中国の行商人を相手にした市場で、中国人しかいなかった。われわれが2000年に
初めて義烏を訪れたときは、「日本人が来た!」ということで地元の新聞にも取り上げられたくらいだ。今では、世界中のバイヤーによる"義烏詣で"の状態となり、アラビア人、アフリカ人、ロシア人の姿が多く目につく。日本人も3~4年前は義烏ブームで目についたが、日本人と中国人の常識の違いにより、失敗の連続で減少した。しかし、08年ころになると少し増え始めた。
中国の郊外には、韓国村かと思うくらいにハングル文字が目立つ。そして、市場で足を止めると韓国人かと聞かれ、日本人と言うと嫌な顔をされる。
アラビア文字は街の看板にも表示され急増。それと、アメリカ人、ヨーロッパ人も目につき、今や世界215カ国の事務所に13000人が住む街となった。
■輸出の拠点
中国の輸出雑貨の30%が義烏からと言われ始めた。上海、広州、大連、瀋陽、無錫、杭州、東莞などの義烏以外の市場も回ったが、それらの市場にあった雑貨商品はすべて義烏発であった。中国各地の国内向け中心メーカーが、義烏市場に出店するようになり、60%強が海外に輸出するようになった。
義烏商品の海外向け輸出港は上海、ニンポウなど。アラビアやモンゴルからの買い付けは、隊商を組んでの大陸移動となる。それと、ヨーロッパ、アフリカは、自由貿易港のドバイを経由して輸出される。ドバイには、ドラゴンマーケットの名で義烏市場ができている。
義烏に根を張りつつある外国商社2500社は、アフリカで製造したものよりも安い、世界一の安さを武器にする義烏の商品(=デフレ)を世界にバラ撒いているのである。
■世界不況は義烏のチャンス
リーマンショックによる、世界一の消費大国・アメリカの凋落。経済破綻のアイスランドに代表されるように、ヨーロッパも立ち直れないし、資源大国で急騰したロシアでも不況のあおりを受けている。日本経済はリーマンショック以前から急な下り坂で、今では雪崩現象。投資以外に産業のないドバイも、まさに砂上の楼閣。
消費者は生活防衛のために中流意識どころか、生きていくために収入に合ったプライスを望むようになった。
アメリカではホームファッションNo2のリネンセィングや、家電No2のサーキットシティまでもが倒産。日本も消費大不況で、欲しい商品でも価格が高ければ二の足どころか、両手を懐に入れて財布の薄さを嘆いて通り過ぎる。
世界一の安さを誇り、商品レベルが上がってきた義烏は救いの神となるか。
■義烏市場に中国各地のメーカーが出店
08年~09年に新たに建てられ、規模が急激に巨大になった福田市場や食品市場、家具市場。そこに出店してきたのは、従来の問屋ではなくメーカー軍団であった。
10年前までは、世界のバイヤーにアピールする交易会の10指にも入らなかった義烏が、今では広州交易会、華東(上海)交易会に次いで中国No3に躍進した。
毎日が見本市であるかのように世界中のバイヤーが訪れる市場は、中国のメーカーにとっても注目の的で、08年の大増床のときにはこぞって出店した。そして今では、この市場を囲むように大工業団地が続々と建てられ、製販一体の人口170万人の街に変貌している。短期間に人口は10倍となり、そのうち110万人が、義烏以外からの流入である。
■価格が下落
従来は問屋がブースを構えていたが、メーカー直販のブースが増えることにより、中間マージンがカットされ価格競争が激しくなった。以前からの問屋も、売らんがためにはマージンを低くしてでも、メーカーの価格に対抗せざるを得なくなった。
市場が大きくなるにつれて出店者の数も増え、しかもカテゴリー別の区分けがされているので、バイヤーには価格の安い高いが否応なしに分かる。販売側の救いは、店舗数が多すぎるために、買う側が選び切れないことで、バイヤーは、どうしても過去に買ったことのある店での反復購買になることである。
しかし、その店が高いとか、品質に問題があり、不良品が多くなると二度と使われなくなるので、以前よりは競争原理が働いて、少しは安心感も生まれたようだ。
義烏はどんな市場なのか
一言でいえば何でもある。が、中国の場合は、都市や生産地によって扱う商品の強い弱いがはっきりしている。
義烏の強さは雑貨・軽衣料で、一般的な衣料はまるっきりダメ。家具も仏山市や広州市には劣る。また、海産物はまるっきり無理。 とはいえ、50万点の品揃えなので、「何でもある」と答えるのが正解。
■福田市場
第1期ビルが34万平米で、04年~05年に完成した第二期ビルが60万平米と46万平米の2棟。08年10月の第三期ビルは170万平米で、合計約94万坪(310万平米)。それまであった小商品城や眼鏡市場、靴の問屋街、化粧品市場、ベルトメーカー街などが、すべてこの福田市場に吸収された。10000坪を見るだけでも大変だが、これがその94倍となると、端から端まで歩くことは不可能。目的の商品を決めて直行しないと、時間ばかりが過ぎてあせるのみ。1期、2期に完成したビルだけでも2.5キロメートルはあるので、山手線の駅間よりも長い。
(右・福田市場第1期ビル 左・第2期ビル)
■食品市場
冥王市場から郊外に移動したのが08年で、グローサリー(食品雑貨店)中心の市場。
お客は近隣の商店などで外国人は見かけない。日本人なんているわけもなく、知られていないだけに価格が極端に安いので今がチャンスだ。
08年10月にはお客は少なくガラガラで、09年3月に行った時はチョボチョボ、そして09年11月のときは、ビックリするくらいに賑わいはじめていた。
■家具市場
09年11月現在、入居率9割という超近代ビル。まるで「家具は義烏ではダメ」ということを打ち消すかのようだ。出店者は義烏のメーカーよりも他の地域からの進出が多い。中国家具は日本の安物家具より重厚だが、価格も輸入コストを考えると幾分か高く感じる。この市場にはあらゆる商品が展示されているだけに、メーカーや工場を調べるのには便利である。
■装飾問屋街
出来たてホヤホヤの雑多な問屋街で、1元、2元、9.9元などのショップも並ぶ。福田市場ではメーカー直販ブースの出店により、サンプル展示が多く、小口購入ができない商品が増えた。しかし、この問屋街を利用すれば1個でも買うことができる。福田市場の隣にあるが、地元の人でも知らないことが多い。
■ライター問屋街
ライターのみを扱う問屋が並ぶ。価格は日本の10分の1~15分の1。安く、品揃えはビックリするくらいに豊富。
■絵画・ギフト問屋街
絵なら、ありとあらゆる品が揃い、日本では見かけない面白いものもある。絵画材料専門問屋も多く、価格もウソと思うくらいに安い。
■装飾・印刷市場
外国人にはほとんど知られていない。値段を聞いたらバックに入りもしないのに買ってしまうほど。
■カー用品市場
09年にやっと出来上がった問屋街。車社会だけに中国では伸びが期待できる。
■冥王市場
08年10月までは、小商品城との双璧で義烏の象徴的市場であった。現在は衣料中心だが、いつまでもつかは不明。脇には生地問屋街や出版物市場もある。
■その他
物資市場、農貿市場、家電市場などがある。
(義烏市場の商品の80%を占める福田市場の商品構成については次号にて紹介)
脅威の安さ!
価格は日本の15~30分の1
※価格は写真の商品のものです(一元=15円で換算)
義烏市場のすごさとは、・50万種類の商品があること。・価格が日本の5分の1~30分の1という極端な安さ。・6万5000社が出店する世界最大の規模を誇る市場。
それでは、価格がどれくらい安いかを写真で見ながら説明をしよう。
※現地価格なので、輸入の場合は輸入費用、関税、日本国内運賃などがかかる。
※為替相場により価格は変動する。目安としては1元は14~15円。
※商品のグレードは、買い付ける店やロットによって異なる。
観葉植物(造花)
日本では高さ160センチのものだと、19800円で売られている。同じ「紅葉」だが、材質や葉の枚数や根の部分で価格は大きく異なる。日本向けは55~65元の商品がよい。鉢を豪華なものに入れ替えると価値観がまるっきり変わる。
価格:高さ160センチで65元(975円)
キーホルダー
義烏の強いカテゴリーの一つ。3元(45円)も出せば、日本では980円でも価値がありそうな、豪華な商品やLEDライト付を買うことができる。
価格:1元(15円)
樹脂製絵画
価格が以前(13.5元)と比べて大幅に下がった。サンフランシスコなどアメリカの観光地では19.99ドル(1800円程度)で売られている。日本の観光地やテーマパークなどのオリジナルを作ってもいいかもしれない。スタンドは別売りで約0.5元(種類豊富)。
価格:25×18センチ/16.5元(98円)
キャスター付き旅行バッグ
機内持ち込みバッグは制限が厳しくなったので、サイズを調べてから購入すること。また中国商品はキャスターとチャックに注意。特に、安い商品はキャスターが壊れやすい。
価格:53元(800円)
腕時計
あらゆる腕時計が売られている。高いものでは宝飾腕時計で35元(525円)。安い商品は1元(15円)から。不良率が高いので、買い求める時は注意。特に、陳列状態の在庫品から選ぶので電池切れが多い。10元~15元も出せばかなりいい商品が購入できる。
価格:10元(150円)から
携帯ストラップ
日本で爆発的に売れた商品。今でも、必需品として売れ行きは堅調。好きなデザインを選んで買い求めることができる。
価格:0.6元(9円)
リボン
ラッピング用品は日本の30分の1くらいが義烏の価格。サイズもカラーもデザインも豊富。ギフト用品にリボンをつけるサービスをしても原価には響かない。ヒモを引くだけでリボンが出来上がるので、1秒もかからず手間いらず。
価格:1袋10本入って0.7元(1本1円)
サングラス
イチローや有名女優がどんなサングラスをするかで売れ筋が決まる。サングラスだけでも300社くらいが出店しているので、あらゆるデザインが揃う。日本円で100~120円も出せば、かなりの高品質な商品が買い求められる。
価格:1.66元(24円)から
ペアウォッチ
1個240円なのでグレードは高い。日本ならケースだけでも480円は取られる。デザインも素晴らしいものが揃っている。ただし、電池切れには注意。
価格:ケース入りで32元(480円)
ビジネスバッグ
福田市場では、バッグのブースは2館使用しているので見きれない。F館は安物中心で、G館は比較的高級商品。レベルによって価格もさまざまだが、目安は日本の価格の10分の1。縫い付け部分とチャック、裏地は入念にチェックが必要。
価格:2個セットで45元(675円)/3個セットも同じ価格
ネックレス
以前と比べて大幅に価格がダウン。商品によっては半額まで下がっている。ネックレスなどの装飾品は、ピンからキリまで揃っている。価格の目安は10~15分の1。25元も出すとデザイン、品質とも優れている。
価格:鎖=4元(60円)/紐:=3元(45円)
安全ベスト
日本の価格と比べて驚くほど安い。特注のオーダーは1000枚から受けてくれる。
反射テープの価格も安い。
価格:7.6元(114円)
日本人形
日本人形がなぜ中国で? と不思議だ。顔も素晴らしくよくできている。まるっきり同じ物が15倍の価格で上海空港で売られていた。以前は義烏市場では1軒しか販売していなかったが、08年ころより扱い店が増えた。価格も20%安くなり、1箱16体入
りでアソートでの販売。
価格:高さ30センチ
で19元(285円)
ミニチュア置き時計
一時、日本でもブームになった商品で、日本での価格は、1980~3980円。
価格:18元(270円)~35元(525円)
麦わら、イ草帽子
現地価格は安くても、運送費がかかるのでイマイチかと思う。ロットが大きくなるので注意。義烏市場では販売にあまり力が入っていない。
価格:1.2元(18円)~1.7元(25円)
Dバック
生地、チャック、裏地、縫いつけなどの差で、7元~23元と同じように見えても価格差がある。価格を下げさせすぎると、受注後に生産のため材質を落としたり、チャックの安いものを使ったりすることが多い。ひどい場合は、縫い付け部分がのり付けのこともあったので注意。
価格:9元(135円)
24本骨の傘
24本骨傘で安い商品は13元(195円)。写真の商品は一番グレードの高い品。特注は1200本から可能で価格は同じ。日本でブームになっているだけに面白い。
価格:18.5元(278円)
おもしろボールペン
種類の多さに度肝を抜かれる。店によっては、オール1元のボールペンだけを専門にしている店もある。ライト付きは2元以上が中心となる。
価格:0.8元(12円)~1元(15円)
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