機関誌『専門店』ハイライト

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2010年 新春特別対談(岡本理事長・伊織日青連会長)

日専連の組織再生を考える

連盟理事長
岡本 勝


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 新年にあたり、まず日専連が第一に取り組むべきことは、組織の再生である。中小小売商人を支援 する団体としてつくられた日専連は、今こそ原点に立ち返り、組織構成員全員が英知を絞り行動しなければならない。

この新春特別対談では、日専連のトップリーダーである岡本理事長と、伊織青年会長にこれからの日専連の進むべき方向性と日専連ブランド向上について本音を語っていただいた。
(司会:連盟・宇田 弘)


組織再生に
強い気持ちで挑む

司会
 あけましておめでとうございます。

新年にあたりまして、これからの日専連の組織活動をどのように進めるべきか、親会と青年会それぞれの思いをざっくばらんにお話しいただきたいと思います。
はじめに岡本理事長に口火を切っていただけますでしょうか。

 

岡本 連盟本部は昨年4月に、これまで行ってきたクレジット事業を連盟子会社の㈱日専連に譲渡し、組織活動に専念することになりました。そして、組織の再生を図るために組織再生委員会を立ち上げて、各組合、そして組合店からのさまざまな要求に応えられるよう、役職員が一丸となって具体的な施策に取り組んで一年がたとうとしています。

01TAIDAN-03.JPG私としては、各会・組合店をはじめ、青年会の皆さんや女性部会の方々の声を聞きながら、新年にあたってどのような路線を敷いたらよいのか、その方向性の大筋を見極めて、実行に移していきたいと強い気持ちでいます。

昨年の全国青年会会議で勉強会がありましたが、このような場を積み重ねて、"これは"ということがあれば青年会から積極的に親会にご提案いただきたいと思っています。ネットについても触れていましたが、ネットは商売でも組織づくりでも外せなくなっているようですね。私はネットは苦手なんですが(笑)。


伊織 この何年かは、他の団体もそうですが、悲しいことに組織離れが目立つようになりました。で すから会員をいかに離さないか、逃がさないか、どう繋ぎとめるかが急務でして、そのためには全国の青年会員が集う青年会会議を通して新しい仲間をつくり、絆を強めることが大事だと思います。そして、その思いを維持するために、ネットの活用も重要になってきています。


われわれは組織の改革意識を高めようということで、その意識をずっと持ち続けてもらうためにスカイプというものを利用しています。これはインターネットを使ったテレビ電話で、一度に何人でも話ができます。スカイプは文字で伝えるのではないので親近感がもてます。


岡本 日専連には日専連信条という哲学があり、立派な機関誌があります。機関誌は組織にとって重要だと思っていますので、もっと利用してほしいですね。


司会 昔は「青年会だより」として、各会の取り組みなどを掲載していました。また1997年ごろに小樽に大型店が進出するというときに、「大型店にどう立ち向かうか」をテーマに、青年会の方々に順番に執筆いただいたこともありました。郊外に大型店が出店し始めた時代です。青年会の情報発ツールとして機関誌の活用を検討されてはどうでしょうか。


岡本 各青年会長に活動の模様を持ち回りで寄稿してもらったらいかがでしょう。


伊織 それはいいことだと思います。お互いの会を理解するためにも、すぐに始めたいと思います。

司会 伊織さんが青年会長になった経緯を教えていただけますか。

伊織 髙橋日青連前会長からの指名です。紆余曲折はありましたが(笑)。

岡本 伊織さんは優しい方だから、断れなかったのではないですか。


司会 就任が決まったときは、どのようなことをお考えになりましたか。

01TAIDAN-02.JPG伊織 これはもう修行だなと思いました。青森会の青年会長になったときもそうだったんですが、与えられた修行の道を行くしかないという感じでしたね。決して上から目線ではなくて「勉強させてもらいます」という気持ちでした。

司会 青森の青年会長から全国の会長になられて、何か違いは感じましたか。

伊織 単会と全国とではまったく違いましたね。全国青年会会議では、いかに多くの仲間に来ていただくかを考えなくてはなりませんし、親会との接点である常任理事会に出席するのは青年会長一人なので、ものすごく責任を感じます。

岡本 ところで会長のお店のピノキオ(子ども服専門店)は、社長として経営されているんですか。

伊織 まだ父親が社長をしていますが、実際の支払いなどの決済は私がやっています。

 

 

プロ集団として

日専連ブランドを高めていく

 

司会 今、青年会長として仕掛けてみたいことはございますか。

伊織 就任のときにはいろんな思いはありましたが、時間がたつとメンバーをどうするかとか、だんだんと内部のことばかりに気持ちがいってしまいますね。
昨年の青年会会議の前日に開催プロ集団として日専連ブランドを高めていくした新規事業委員会のときも、いろんな意見がほしかったんですが、段取りが悪かったのか、日専連をこうしたいという意見ではなく、責任の所在はどこにあるのか、みたいな議論になってしまいました。

 

司会 新規事業に取り組むには、かなり厳しい時代ですね。

岡本 伊織会長の所属会である青森から、何か全国に発信してみてはいかがでしょうか。収益を得られる新規事業は、今後ぜひ取り組まなければなりません。

伊織 青年会の新規事業委員会では、親会に対して「これをやります」と提案して、ご協力いただくというイメージでやっています。まだ固まってはいませんが、新たな企画を立案して将来的にはWEB、または携帯電話を使って日専連ブランドを高める展開ができればと考えています。
みんなで夢を現実にしたいと考えているんです。会議も費用がかからないインターネット電話で進めていこうと思っています。


日専連のいいところはプロ集団だということです。小さなお店ですが、一つひとつの商品に血を通わせて、きちんと売っている集団です。私はこの組織のために少しでも役に立ちたいと思っています。今、組織をまとめる立場になって、もう一度原点に立ち返ろうと思っています。

01TAIDAN-04.JPG岡本 機関誌のページを活用して、いろいろな方に書いてもらったらどうですか。全員が集まれる機会はそう多くはないので、絆が切れないように何かを残しておかないといけないでしょう。それもすぐにやらなくてはいけません。

司会 「青年会だより」というようなものを毎号、機関誌に書いてもらえればと思います。何がしかの情報を流すことで、発信するほうの意識も高まりますし、機会があれば「読んでよ」ということで、組織づくりにも積極的に参加してもらう足がかりになります。


伊織 私はもう少し日専連ブランドというものを高めたいですね。

岡本 伊織会長は日専連ブランドを高めるための、具体的なイメージは持っておられますか。

伊織 日専連はクレジットカード会社というイメージが浸透していますが、もともとはプロの専門店の集まりだということをもっと広めたいですね。真の商いをしようと頑張っている団体が日専連であり、日専連マークのある店は安心して買い物ができるということを確立させたいです。

司会 先日、福岡会の傘屋さんでいい話を聞きました。7~8万円もする傘をテレビで紹介したら、買いたいという人がいたらしいんですが、買いたいのなら見に来てくださいと言ったそうなんです。テレビではその傘のどこが良いのか説明できない。ただ高いから買いたい、お金があるから買いたいという人には売りたくない。きちんと説明して納得してもらった人に売りたいとおっしゃるんです。専門店ってそういう店なんだと思いました。
自分の商品に自信を持っていて、それが分かる人に買ってもらいたいということです。

伊織 そのことは専門店としてすごく大事だと思います。それが日専連ブランドですね。


インターネット
テレビ電話の活用

司会 
昨年の青年会会議の勉強会で、青年会OBの方が講師となってネットの話をされたのはよかったですね。仲間うちに成功事例を話せる人がいることは素晴らしいし、お金を払って外部から呼んだ講師のお話とは違います。聞くほうの姿勢も全く違ってきます。また、こういう素晴らしい経営者が仲間にいるんだということも自身の励みになるのではないでしょうか。

伊織 全国の青年会のメンバーの中には優秀な人がたくさんいます。その人たちの活躍する場をぜひつくりたいですね。また、組織強化委員会と情報化委員会は、テレビ電話を活用して会議を開いています。テレビ電話を使っている委員会はすぐに議論に入っていけるのですが、それを使ってない委員会では、リアルで開催する会議において、進み方に差がでて、こんなに違うんだと思いました。

私が青年会長になって初めに考えたのは、とにかく全員に参加してもらうということです。何でもいいから、一言でいいから何か言ってほしいと思っています。そのために分かりやすい組織にしたいですね。

司会 役員さんは情報を伝達し、また会員の声を拾うということも大事ですね。役員さんのほかにも優れた方はまだ大勢おられると思います。そういう方に情報を発信して、その方々の声を汲み上げる仕組みがつくれたらいいですね。


岡本 あなた方青年会が委員会で練ったことを親会に伝えてもらって、親会の委員会とリンクさせるというのはいかがでしょう。


伊織 ぜひそうしていただきたいです。組織の再生は親も子もありませんから。

司会 テレビ電話を使ってみてよかったという事実を親会にもどんどん報告して、活用するメリットを提案いただきたいですね。

01TAIDAN-05.JPG伊織 われわれが使っているスカイプは無料です。世界中のスカイプ仲間と無料で交信できるんです。インターネットにつながるパソコンとマイクがあればできます。さらに、カメラがあれば画像が見られます。メールアドレスを登録してグループをつくります。そしてだれかがそのグループに発信すると、そのときネットに接続しているグループ全員と話ができます。

岡本 スカイプを使った会議は、どれくらいの頻度で行っているのですか。


伊織 ほぼ月1回の割合で行っています。

司会 そうなると、顔を合わせたときの会議の内容が濃くなりますね。

伊織 親会でそれを使いたいというのであれば、すぐにでもできます。コストもかかりませんし、簡単にできます。あとは何日の何時にスタートしますから、必ずパソコンの前にいてくださいと連絡するだけです。

岡本 青年会も進んでいますね。親会でも取り入れましょう。

伊織 これは私がずっとやりたいと思っていたことなんです。たまたま私は別のところでスカイプを使った会議をやっていたものですから、これはいいからみんなやろうよと呼びかけました。これがあると意識の維持・継続が保てます。

司会 日専連組織のいいところは優秀な人材がたくさんいらっしゃることで、これは財産だと思っています。そういう人材を掘り起こして表舞台に立ってもらいたいですね。それぞれに得意分野がありますし、商売に関してもいろいろなノウハウを持っていると思うので、それらをうまく引き出すことが重要になると思います。

伊織 わざわざ講師を呼ぶより仲間うちで、頑張っている人の話のほうが聞きたいですね。この人は講師ではなくて仲間なんだということで親密感もわき、真剣に聞いてくれますからね。


青年会が企画する
社会貢献活動の推進

岡本
 私は何でもいいから一歩を踏み出すべきだと思います。そして、ぜひ考えてもらいたいのは、社会貢献のなかでもCO2の問題です。

01TAIDAN-06.JPG弁当を買いに行くと「お箸いりますか」と聞かれるでしょう。そう聞かれたら「いる」と答えますよね。でも、箸がいらない場合は2円値引きしてもらえるなら「いらない」と答える方もいると思います。マイバッグ持参だと2円引くスーパーはありますよね。今は1円、2円でも値の下がるほうを選びますからね。

何か日専連でもそういう取り組みはできないでしょうか。小売店はどうしても過剰包装になりがちですから。

伊織 CO2をテーマに版画コンクールをやってはどうでしょうか。岡本 それはいいですね。

司会 CO2を版画のテーマにすることは難しいと思いますが、テーマを持たせるのはいいことですね。また、版画コンクールをもっと活かしていきたいですね。版画の審査員の先生からは、あそこまで大きいコンクールは世界に類を見ないとまで言われていますから。

岡本 うちは応募数が多いのになかなか入選しませんね(笑)。1万人くらいの応募があって、全員に100円の蛍光ペンを差し上げていますが、100円でも1万人だと100万円になります。

司会 作品の展示会をするのにもお金がかかりますからね。でも、1万人もの小学生から版画の応募があるということはすごいことですね。そのことですでに、日専連ブランドは高まってます。

岡本 環境問題は小売店といえども避けては通れないと思います。それぞれの小さいお店で共通して何かできることはないでしょうか。

司会 日専連運動と「運動」がついているからには、そういうことに積極的に取り組んでいくべきだと思います。ブランドイメージも上がりますから。

岡本 それは考えるべきです。お金は生まないけれど取り組むべきです。

伊織 親会目線だと何か枠に当てはめてしまいがちだと思うので、そのあたりは青年会のほうが「こんなのどう」という意見が出やすいかもしれません。

司会 前に青年会が主体になって立ち上げた社会貢献委員会で、各会ではどういう社会貢献運動をやっているのかということで、アンケート調査をして冊子にまとめたことがあります。青森では清掃活動や寄付行為、マラソン大会などをやっていました。北九州では映画祭やプロによるサッカー教室、盲導犬支援募金など、全国各会でいろんなことに取り組まれていました。そういうことをまた調査してみるのもいいかもしれないですね。

岡本 手っ取り早いところでプルタブ集めがあります。ドラム缶一杯集めたら車椅子一台になるそうですよ。

司会 ちりも積もれば山となるですね。

伊織 日専連青森では使用済み切手を集めています。

岡本 社会貢献活動は形にして、ぜひ取り組んでいきたいですね。

伊織 全国の青年会ですぐに始めるようにします。

岡本 環境問題は、我々小売店にとっても避けては通れませんよ。まだまだできることはたくさんあります。ぜひ青年会から提案してください。

伊織 はい、そうさせていただきます。

司会 ちなみに、前に社会貢献委員会で「花いっぱい運動」を取り上げました。取り上げた理由は、誰でもどこでもできるからです。難しかったり、ややこしいのは避けたほうがいいかもしれません。

伊織 青森は花いっぱい運動では苦労しました。
青森は橋の欄干に花を置いたんですが、国交省から落下の危険があるからと認可されなかったのを、粘り強く交渉して認めてもらったんです。私が会長のときにやったんですが、会長が替わったらやらなくなりましたね(笑)。
毎回国交省に許可をもらいにいかなくてはならないんです。広告として日専連がやっていると掲げるのもダメで、日専連の旗を揚げられなかったんです。

岡本 北九州では花の絵にしました。保育園などで描いてもらった絵を商店街に飾ったんです。

伊織 今、こうやって話し合うことでいろんないいアイデアが出てきました。こんなお話を多くの方に知ってもらいたいですね。それは機関誌やネットになるんでしょうかね。

司会 そうですね。話して、話して、やっとこういうところにたどり着いたわけです。この思いをいろんなところで伝えていただきたいです。
伊織 何となくサッパリしました。

岡本 機関誌にページを割いて載せたら、多くの方に思いが伝わりますよ。

伊織 情報の伝達として、機関誌を積極的に活用したいと思います。

岡本 今年で日専連は創立74年になるわけですが、これを90年、100年と維持し続けていくためには、青年会の皆さんの力がぜひ必要です。
私は青年会活動を日専連の生命線であるという気持ちで応援していきます。

司会 岡本理事長からご提案があった社会貢献活動に取り組むという方向性が決まりました。やはり、地域に貢献して生活者に認知いただいた上での商売ということでしょうか。そして経費の面からも、インターネットテレビ電話の活用の提案もございました。また、機関誌で青年会のページを割き、情報発信していくことも決まりました。
本日の座談会では、日専連の進むべき方向性の一部が見えてきたような気がします。ありがとうございました。