機関誌『専門店』ハイライト

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店人いま 237

レトロあふれる門司地区で
男性目線のアグレッシブな感覚で
高級ランジェリーショップを経営

清水聖児氏 ランジェリーショップしみず(北九州会)

聞き手 マシュマロスタジオ ひらまつたかお

 

10mise_01.JPGわが国の製鉄所発祥の地、北九州市。歴史に名高い官営八幡製鉄所は、1901年に炉に火が入り、日本の近代化に大きな役割を果たしてきた。時代が移り変わっても、同市が北九州エリア随一の工業都市であることは今も変わりはない。商業、情報、観光産業も充実している。現在は人口約100万人を擁し、西日本を代表する大都市の一つとなっている。

そんな北九州市の中でも、異国情緒ただよう、レトロな地区として注目されている門司区で、高級女性用下着を扱う「ランジェリーショップしみず」は、とてもかわいらしい感じのお店だ。オーナーの清水聖児氏は、サラリーマン生活を経て、実家の呉服店を継ぎ、呉服店から今のランジェリーショップに業態転換して今日に至る。
清水氏のショップが扱う下着の多くは、国内メーカーに比べ2~3倍も高い。それにもかかわらず、売り上げは堅調に推移。昨今の景気低迷の中でも、多くの固定ファンから支持されている。

 

女性下着を扱う
ことへの不安

10mise_02.JPG●お店を始められて、どれくらいになりますか。

清水 昭和60年からですから、今年でもう24年目になります。もともと、両親が呉服屋をやっていたのですが、わたしとしては呉服の知識に自信がなかったものですから、継ぐつもりはありませんでした。親も継がなくてもいいといってくれましたので、学校を卒業してからは中南米雑貨の輸入を行う会社で、サラリーマン生活を送っていました。

●それがどうして、お店を継ぐことになったのですか。

清水 当時、父親が呉服の商売をやりながら、母親と妹は女性の下着販売をしていました。ところが、妹が結婚のために仕事をやめることになったのです。それを機会に、跡を継ぐことになりました。

● 女性の下着を扱うことに、抵抗感はなかったですか?

10mise_05.JPG清水 店を継いでしばらくは、呉服のほうを主に担当していました。下着販売のほうは、前妻が行っていたので、わたしが店頭に立つことは少なかったですね。
悩んだのは、前妻と別れたときです。わたしが下着販売の店舗の責任者として、店頭に立たなければならなくなりました。果たして自分がうまく店を経営していけるのか、不安は大きかったですね。

店をたたむことも考えました。でも、サラリーマンに戻るのも大変ですし、お店にはスタッフもいましたから、お給料を払わなければなりません。どうしようかと悩んでいたところ、周りの人からの助言などもあって、人に働く場所を提供するということも大切なことだと分かり、店を続けていく決心をしました。このころは、経営的にも苦しい時期でしたね。

 

 ●今、メインで取り扱っているのは、どんな商品ですか?

10mise_03.JPG清水 輸入もののブラジャー、ガードル、キャミソールをはじめとするランジェリーです。単価は、平均1万2000~1万3000円くらい。上下セットで2万円くらいの高級下着です。フランスやイタリアからの輸入下着が、扱い量としてはほとんどを占めます。
昔ですが、ワコールの商品で、ブラジャーが4000~5000円、ショーツが2000円くらい、上下あわせて7000円くらいが、高級商品のラインナップでした。最近のスーパーで売っている下着は、上下で3000~4000円ですから、当店で扱っている商品はかなり高いものになります。

 

●お客さまはどういう人が多いのでしょうか?

清水 20代後半から30代の普通の女性です。30代後半になると、子どもにお金がかかりますので、本人が買いたくても買えなくなる人が多いかもしれません。
高級輸入下着といっても、お買い求めになるのはごく普通の女性です。飲食店関係の女性が多いわけではありません。

●いわゆる「健康下着」の売れ行きはどうでしょうか。

清水 昔は、シルクなどの天然素材の下着がはやったこともありましたけれど、今は特にそういう傾向はありません。

●女性下着のお店で、男性が店頭に立って販売しているというのは、やはり珍しいケースでしょうね。

清水 そうだと思います。実際、男性が女性下着を販売しているということが、マイナスに作用している面もあるかもしれません。
今はだいぶ変わりましたが、わたしが店頭に立ち始めたころは、店内に男の姿が見えたから、お店に入らないというお客さまも少なからずいました。ネット販売を展開するようになったのも、こうしたことが背景にあります。

 

アグレッシブに
男目線で下着を提案

10mise_04.JPG ●清水さんのお店の魅力は、おしゃれで高級な下着を買うことができるということになりますね。

清水 そうですね。それにプラスして、オーナーであるわたしが男性なので、男目線で見て、女性のセクシーさや上品さをかもし出せる下着をご提案できるということもあるかもしれません。

●男目線で見たセクシーさですか。確かに御社ならではの強みかもしれませんね。でも、その一方で、お客さまによっては、男目線ということが、マイナスの印象を与えてしまうことはありませんか?

清水 おっしゃる通り、すべてのお客さまから受け入れられているということではないと思います。ただ、インポートの高級下着を扱っているほかのお店の場合、オーナーさんが年配の女性というケースが多く、品揃えも保守的になりがちです。その点、うちの場合は、男目線で見たアグレッシブな商品をラインアップしていますから、そこが他店との差別化になっていると考えています。

●お店の雰囲気も、かわいらしい感じで素敵ですね。

清水 今の店舗は、10年前にここに移りました。この物件は、うちが移る前は美容室でした。内装工事をして、大幅に作り変えました。

●商品の仕入れルートは、20年前と今とでは違いがありますか。

10mise_06.JPG清水 基本的には、それほど変わっていません。消えてしまったメーカーも多く、メーカー数は増えていません。高級下着の場合、新規参入もあまりなく、ブランドメーカーも落ち着いている状況だと思います。
下着の販売を始めたころは、自分で輸入してみようかとも考えていました。サラリーマン時代は貿易に携わっていたので、輸入業務の実務も経験して分かっていましたからね。
でも、いざ自分で輸入するとなると、リスクがあまりにも大きいので、今は代理店経由で扱っています。

代理店からは、新商品の提案を受けることもしばしばあります。代理店が新しく取り扱うメーカーの商品は、ヨーロッパでデザインされ、製造は中国で行うというパターンですね。

●下着にも流行はあるのでしょうか。

清水 メーカーでは、意図的に流行を作り出すマーケティング戦略もありますが、洋服ほど流行に大きく影響されません。

 

直接肌に触れるので
上質な商品にこだわる

●これまで、店舗経営でこだわってきたことはありますか?

清水 輸入下着には、うちが扱っているような高級なものばかりではなく、もっと安いものもあります。でもそういった商品は扱いたくなかったですね。というのは、下着は直接肌に着けるものですから。たとえ見栄えがよくても、胸の形をつぶしてしまうような低品質のものは、怖くて扱えません。
 シルクとはいかなくても、柔らかい素材でできていて、胸の形をきれいに整えてくれたり、センスのいいレースを使っていたり、そんな上質な下着をお客さまには身に着けてほしいと思って、これまでやってきました。

10mise_07.JPG●下着の販売店舗が減少しているなかで、20年以上にわたって経営を続けているということには、大変なご苦労があったと思います。

清水 これまで、多くの人たちに助けられて、ここまできました。それに尽きると思います。

●スタッフの下着に対する知識のレベルアップは、どうされていますか?

清水 今、スタッフは二人います。ワコールなどが行う講習会に参加したり、日々の接客、フィッティングなどで知識や技術のレベルアップに努めています。

●今後、力を入れていきたいことは何ですか?

清水 ネットショップで商品をもっとキレイに見せたいですね。商品撮影のスキルもさらにアップさせたいし、商品の魅力を伝える文章や言葉も、もっとレベルアップさせたいです。サイト全体の見栄えも、もっとよくしたいと思っています。

●お客さまは、商品にどんな違いがあるのか、意外と分からないものです。ネットショップでは、清水さんの下着に対するうんちくを、どんどん伝えるようにすると、お客さまはいっそう楽しんでショッピングできるようになると思います。

清水 なるほど、うんちくですか。商品について語ることはいくらでもできますから、さっそくやってみることにします。

●それと、買っていただいたお客さまから、商品レビューをもらうようにするといいですね。レビュー自体が宣伝になってくれます。

清水 商品レビューは、販促効果がありそうですね。ぜひ取り組んでみたいと思います。

●リアルの店舗とホームページをさらにリンクさせていき、魅力を絞り込んで強化すれば、もっと売り上げが伸びると思いますよ。これからも頑張ってください。
 今日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。

■所在地
北九州市門司区大里戸ノ上1-11-23
[メール]
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[URL]http://www.rakuten.co.jp/mapple/